但馬屋老舗

当主の独り言

最新の独り言

県立美術館、大分アートと交通、街づくり

 新県立美術館の設計の最終段階に入っていますが、大分経済同友会ではここ数年、県都大分市のまちづくりのテーマに、海に面した大分港のウオーターフロント開発計画を進めながら、最近では中心市街地の再開発に文化創造都市構想と公共交通システムの構築を上げています。
 この二つのテーマで、昨年はドイツ方面から、ナント市、パリに。今年はスペイン、バスク地方のビルバオ、ボルドー、ナント、メス、パリを視察しました。
 パリを除く都市では、重工業中心に発展してきた時代を過ぎて急速に都市の衰退がはじまり、市民参加の長期計画の下で政治と一線を画した取り組みをしてきた都市や、政治家の発想で美術館を誘致した都市や、事情は異なっても現代美術アートやデザインやファッションや食や文化を中心に活性化を実現し、加えて公共交通システムの充実で住みやすい環境政策も同時進行で行われた結果として、住みたくなる都市に変貌し、産業も復活し人口増加に転じた都市でした。特に音楽面の研修テーマはなかったのですが、必ず中心に劇場があり、オペラをはじめ音楽面の文化振興もあります。ナント市では有名な誰もが安価でいろいろな演奏を数多く楽しめる音楽祭があるように、文化政策が都市づくりに大変重要になっています。
 日本中で、気づいた都市から始めていますが、東京や横浜や名古屋等の都市だけででなく四国の島々を結ぶ地域や新潟県のある地域や、大分県は別府市の取り組みが有名です。
 今回はそのベッププロジェクトの代表もフランスでの活動経験もあることから、案内調整役をしていただきました。知事や県担当職員2人がナントとメスに参加しました。県立美術館構想委員会委員のの芸術文化短期大学の中山学長と同委員であった家内(新年度からは県の建築審査委員に内定)も同行しました。私もおかげで少しは現代アートの魅力に近づけたかなという心境です。別府市では、日々展開されていますので、メールや新聞記事から目を離せません。実際には私もイベント以外には別府市に行くことは少ないのですが、今までとは違う何かかが、古い温泉町の中で生活者のすぐ横で、パフォーマンス、ハップニングが行われています。
 7年前に別府で別府プロジェクト立ち上げて初めてのシンポジウムがありました。その時にナント市の総合監督である有名なボナン氏にお会いできました。そのボナン氏に現地で案内、説明ををいただきました。私の業界の佐賀の村岡総本舗の村岡社長はさらに10年前から佐賀メセナ協会を通じてナント市との交流をしていましたので、ボナン氏とは村岡氏を通しての知人ということになります。久しぶりにお会いして覚えていただいていたことに感動しました。
 別府では一方で、アルゲリッチ音楽祭が今年も目の前に迫ってきました。来年の今頃には別府市に「アルゲリッチハウス」が完成しています。
 住む人たちがどのように芸術文化に関心を寄せ、参加し、関わってゆくのか。元気をもらえる源のような、場や空間、時間があり、そのことが住む環境をもっと魅力的な場にしてゆく。人が集えば何かが始まる。カフェやレストランが大事な役目を果たしている。その場での会話から何かが始まる。
 表現すること。絵画や彫刻や音楽やバレーやダンスや演劇や、、、、。小都市でも地域で連携して、隣の町の魅力をわが町に取り込む。お互いに。生活文化圏がある。地元の芸術活動家だけでなく、外部からの芸術家の受け入れも重要です。長期滞在の試行から定住したり、海外との交流に発展したり別府は文化庁の支援の下で先進的な取り組みが行われています。全国の注目を集めています。そのことは市民よりもむしろ関心の高い世界中のアーテイストや街づくりの実践者から注目を浴びています。
 過去に大分市に有名な演出家の芝居塾があった。つかこうへい。地方から劇団を立ち上げてと、湯布院にも、竹田でも素人劇団が存在した。私たちより10歳前後の独身世代の若さだった。あの活動はどこに行ったのか。
 最近、大分へ秋田の有名な劇団の指導者が帰ってきました。県出身の映画監督が俳優養成講座を大分で開くと新聞にありました。二期会の大分支部、大分二期会が発足。世界に県出身のオペラ歌手がいることや、毎年芸術家の卵を輩出する芸術大学があり、二期会の事務局長から転出した敏腕の芸術大学長の存在が大きい。今でも東京(文化庁等)の仕事をこなしながらの奮闘です。大分グランシアターにユースオーケストラも育ってきている。総合すると、県民オペラが復活できる下地が整いつつあります。
 グランシアターの隣接地に新美術館が、一階のガラスの壁が昇降して外部と一体化する空間が生まれ(同様のポンピドーセンター・メスで設計者の坂茂氏に設計の意図を聞きました)、周囲の環境とも一体化できる方向にあります。
 この芸術活動環境と芸術大学をどのように結ぶか、県内の高校生小中学生を教育プログラムの中でどう活用するか。この教育部門が大事なポイントです。小中高の先生の問題や、学芸員の問題等ソフトに注目しなければなりません。
 総合的な文化政策を大分県、大分市を挙げて推進する必要があります。県と大分市が新たに造る文化施設にもいろんな機能があり、協力体制を早急に整えたいものです。文化政策をプロデュースする剛腕の指導者とそこで経験をつみ次の時代を担う、大学で文化政策を専攻したような若いスタッフが行政部門に必要です。
 民間では商工会議所や産業部門の企業の理解と支援、参画も大事です。むしろ文化政策をビジネスに取り入れて、産業化し雇用を増進、住みたくなる街にしてゆくことでしょう。環境問題を産業化したように。人に喜ばれる技術革新があるように、文化創造環境を未来に構築してゆく方向は間違っていないようです。

 さて、公共交通部門はとてもダイナミックな取り組みをしていることに驚かされました。郊外のパークアンドライド基地を見学しました。駐車基地にLRT,バスレンタサイクル自転車レーン、バスレーン、LRT(低床電車)レーン、車道、歩道とあります。地理的条件により各都市に特色がありますが、公共交通は短時間で移動できます。車も一部に地域、時間を除き渋滞なく、駐車場の整備も進んでいます。地下6階、約1000台収容の世界遺産地区中心市街地(ボルドー)の駐車場もありました。電動のレンタル自転車のシステムは各地で普及しています。電気自動車のカーシェアーもあり、決められた路上に駐車と充電を行う場所があります。登録して、予約をしての利用になります。すべてが人件費のかからないシステムに自動機械化されていて、LRT等では乗客との信頼関係で運行されていて、無賃乗車は発見されると罰則は厳しいようでした。
 路面電車の残る日本の地方都市はいまだ住みたくなる魅力を感じます。大分、別府から消えて久しいのですが、高齢化や交通弱者のためにも復活するとよいのですが。それに代わるバスの検討も必要です。熊本市の新駅にもありますが、路面電車停留所と特急電車の停まる新駅が立体交差することで便利になったり、今回TGV(新幹線)駅と、LRTの停留所が立体交差する場所も体験しました。
 今回フランスの大統領選の真っ最中でしたが、ナント市長もその結果では中央政府の要職に就く予定とかで、政治家も行政職も戦っていました。(そのシンボルカラーのネクタイを記念に頂きましたが)、行政手法の成否が選挙の結果に結びつく影響の大きさは民主主義の国という伝統があるようです。それだけにまちづくりは政治生命をかけて行われてきています。市民の厳しい期待に応えて、それ以上の提案も求められる風土が、都市の再興にも役立っているようです。

 今回ボルドーで案内していただいた現地ガイドの加藤さんは本業はワイン商です。フランス人の奥さんと3人の子供と暮らしていますが、家族の数が増えるごとに公共交通(町の電車から新幹線まで)の利用費用が割引されます。税金そのものも格段に安くなるそうで、暮らしやすく、少子化対策を具体的に実施しているとのこと。結果先進国の中では日本とは比べ物にならないほど出生率は高いのです。政治が身近にあり、日本の無策ぶりが嘆かれます。

 

2012年05月05日(土)

竹田市 荻町と 久住での合唱

 14日は、別府大学大分キャンパスにて午前中にロータリークラブの2720地区協議に参加。開始の点鐘の後はロータリーソングで始まります。
 荻町に引き返し、端午の節句の祝宴に2分遅刻したのは、大学の先輩でJTBの役員をしていた方が兄弟夫婦12名で温泉旅行の途中でお店に、3年ぶりの再会で賑やかにお相手していると時間が無くなり、会場ではおそろいの約100人の方たちにご迷惑をおかけするところでした。
 さて、荻町は養鶏や鶏卵、豚の生産、花卉や米、高原野菜の、現在はトマトの大生産地で加工品も好評で有名になっています。したがって農業者の皆さんが元気がよく、若者の後継者も帰ってきて青年部活動も盛んです。そこで驚いたのはお祝いの謡曲を3番あげることがこの地域の習わしですが、3人の主唱者に合わせて多くの参列者がお謡いを合唱します。若い人も良く覚えていて、教本なくてもそらんじているようです。
 聞けば公民館活動で皆さんは練習をしているとか。その先生も会場にいて話を聞くと私と同じ喜多流の先生についているとか、最近盛んになっているといいます。農業で忙しくしている中でも、生活に欠かせない伝統文化を支えていることは、豊かさの象徴ではないでしょうか。親子3代の将来に希望の見える農業者の孫、長男のお祝いにふさわしい祝宴でした。

 15日は久住高原のオーベルジュ小山のマダムの恒例の誕生会。いつもの素敵な人生を各地で過ごしてきた方たちが集います。皆さん料理に持論があり自分で調理するほどに凝り性の方もいて、ワインや料理を持ち寄ってきます。スペインバスクから大分県で暮らしてきた牧師さんが高齢でこれなくなってからは、南こうせつさんのお寺を継いでいるお兄さんが来られることが多くなりました。その歌唱力はさすがに兄弟です。やさしく、柔らかい歌声で天国へ誘うような響きがあります。コーラスの指導をされてもいるそうで、ソングリーダーとなり、時には独唱で聞かせていただきます。
 このお兄さんはお寺を継がれる前は大手の食品メーカーにいて、レストランの開業の仕事からヨーロッパに行くことが多く、ワインや食材について詳しく話してくれます。その彼が但馬屋のお菓子を京都のお寺の友人たちに届けていて、但馬屋のことも詳しく、竹楽の時の御茶室のイベントのことや、筑紫哲也さんとこうせつさんが交流があったことから、但馬屋でお出ししている筑紫さんの橋本コーヒー店の「あきおブレンド」のために京都のお店まで行かれたとか。
 とにかくおいしいことに時間をかけているみなさんでした。そこに素敵な歌声が響き、至福の時を過ごす仲間たち。今年も新婚さんが二組に、仲間が増えています。わが娘たちはオーベルジュの娘さんと仕事、ヨガや茶の湯を通じて仲良く、来年は合流するようにしたいと思っています。

2012年04月17日(火)

忘れないうちに

 4月13日大分政経懇話会の講師深澤真紀さんと講演の後に名刺交換させていただきました。
 アーサー ビナードさんが年一回講演に来る会場のお菓子屋ですと自己紹介したところ、「竹田はいいところですね。 なんと、お菓子と但馬屋をご存知でした。知人が竹田市近くにおられたとかで。さっそく(会場のトキハのお店もあるのですが)送らせていただくことになりました。大分のファンだということです。

 講演は「草食男子」で流行語大賞をとられた方ですが、意味が正しく伝わっていないといわれます。日本に限らず、世界中のマスコミ記者たちの反応も間違って解釈されていると。講演が進むにつれて私も悪印象のみの認識でいたことに気づきました。言葉の生みの親としては、悪いことばかりではなく、新しい時代の日本の青年像を表現しただけで、能力もあるしお酒やたばこからも距離を置くし、恋愛も適度にこなすし、ただ以前のようにオオカミのような男子ではなく、紳士的で異性を友人として尊敬しあえるタイプが多く、車を買わないとか不景気の元凶のようにスケープゴートにされたり頼りない青年と決めつけられて反論もしないだけで、これから日本や世界を担う青年であり、団塊世代以上の方たちは自らの成功体験だけでなく失敗談等も正しく伝えて、賢くバトンタッチする時代であると。きっと応えてくれると、、、私も最近の竹田、東京の若者の動きをみると同感しています。
 大分のファンというくだりは、早稲田大学に入りたくて高校一年から早稲田大学の学園祭に出入りして、出会ったのが大分稲門会の屋台であり、だんご汁にやせうまにはまってしまい、今でも大好きで「坐来大分」や新宿の大分郷土料理店「とど」によくいくそうです。
 日本中の取材で湯布院の旅館御三家ほど素晴らしいものはないという。箱根や湯河原の高級旅館でも湯布院のほうが優れてゆきたくなるといいます。
 大分は頑張っていると、若者も自信を持つことでしょうか。

 講演の中にもありましたが、若者が故郷や親の仕事を見直して跡を継ぐケースが以前より多いように思えます。ドラマでも時代を反映しているような傾向にありますね。若者を大事に、期待してお付き合いしたいと思います。

2012年04月13日(金)

但馬屋オンラインショップ
お問合せ| プライバシーポリシー